片目の貴婦人(前編)
◎白いネコの想い出(№2)
人間と同じように、猫の性格も多種多様です。
甘えん坊もいれば、独りを好む猫もいる…
でも、プライドの高さ(良い意味でも悪い意味でも)でいったら、
今まで飼った中で、彼女にかなう猫はいません。
彼女は初秋のある夜、我が家のガレージの脇に
姉妹で捨てられていました。
生後2~3ヶ月でしょうか…
体はドロだらけ、目には土が入って目ヤニだらけ!
やせて怯えていました。
まずはきれいにしなくちゃ!と思い、
夜中までかかってきれいに洗い上げました。
目もぬるま湯で洗浄し目薬を点すと、
仔猫らしいクリクリの可愛い目になりました。
彼女は真っ白い体なのに、頭の上にちょっとだけグレーの毛があり、
妹(多分。彼女の気配りからそう思いました)は、カワイイ三毛猫でした。
次の日から、ご飯を食べると姉妹でじゃれ回り、
疲れてぐっすりと眠る姿に、思わず微笑んでホッとしたのですが、
目ヤニだけはなかなかきれいにならず、
毎日洗浄して目薬を点すのが日課になりました。
それでも、一週間を過ぎる頃には大分良くなり、
日増しに姉妹のおてんば振りは激しくなりました。
そんな時、事件は起こりました。
姉妹でじゃれあっている時、爪が彼女の目に入ったのでしょう。
私が気づいた時には、
彼女の右目から白いドロッとしたものが流れていました。
驚いてすぐ獣医さんに診てもらったところ、
「流れ出しているのは、角膜です。もう治りませんね。
右目を摘出手術して、片目をふさいであげるのがいいと思います」
との診断! ショックでした。
こんなに可愛くて、まだ小さいのに、片目になるなんて…
決心が付かず、獣医さんに返事ができずにいると、
一緒に来ていた母が、
「この子はきっと、見えないままの目を皆に見せるより、
片目をふさいであげる方を望んでいるわよ」
と言いました。
その一言で私の気持ちも決まり、
摘出手術をしてもらうことになりました。
小さな体で手術を受けている姿を思うと、辛くて涙が出ました。
翌日、片目にしっかりと止められたガーゼ姿は痛々しかったですが、
麻酔も切れて、元気に退院することができました。
一週間後には無事、抜糸も済みました。
その後、多少膿んだりしたアクシデントはありましたが、
食欲旺盛で、姉妹で仲良くじゃれ合う毎日でした。
そして大きくなるにつれ、頭の上のグレーの毛が白く変わり、
全身真っ白の『片目の美人』が誕生しました!
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